屋根の塗装は経年とともに劣化してくるので時期を見て塗装しなおす必要があります。しかし、台風などで屋根が破損でもしない限り、自身で屋根の塗りなおしやメンテナンス時期を判断するのは難しいものです。

ここでは、塗りなおしの時期はいつ頃が適切なのか、どんな塗料を使えばいいのかなどをご紹介します。

目次

• ○  屋根塗装は外壁よりも劣化しやすい
• ○  屋根塗装の必要性、メリット
• ○  塗料の種類で耐用年数、メンテナンス時期は異なる
• ○  屋根塗装に使う塗料の種類
• ・アクリル系塗料
• ・ウレタン系塗料
• ・シリコン系塗料
• ・フッ素系塗料
• ・遮断熱塗料
• ○  屋根塗装のDIYは危険！専門業者に依頼しよう

屋根塗装は外壁よりも劣化しやすい

立地にもよりますが、屋根は雨が降ればまともに当たり、晴れの日には長い時間紫外線にさらされ続けます。そのため、外壁よりも劣化が早い傾向にあります。

長年塗装を直さなかった屋根は、遠目では問題はなさそうに見えても、間近に見ると塗膜が剥がれてボロボロになっているということも珍しくはありません。

屋根塗装の必要性、メリット

屋根の塗装には見栄えをよくする効果以外にも、雨水の浸透を防ぐ役割があります。屋根塗装が劣化すると、雨が降ったときに水が屋根の下へと浸透していき、屋根裏が腐食したり、カビが生える原因となります。

屋根塗装を塗りなおすことで防水性が保たれ、家へのダメージを防ぐことができるのです。また、塗装は年月とともにだんだんと色が薄くなっていきます。

家の見た目を美しく保つためにも、塗装の塗りなおしが大切になってくるのです。

塗料の種類で耐用年数、メンテナンス時期は異なる

塗料の塗り替え時期は、使用している塗料の種類によって異なります。

また、実際には住居環境によっても変わってくるものです。降水量が多い地域や潮風に吹かれる地域だと、塗装の劣化の進行が速い場合もあります。

屋根の劣化具合を調べたい場合は、業者に頼んだほうが安全で確実ではありますが、今後の塗り替えのためにも、屋根に使用される塗料にはどんな種類があり、何年ぐらいの耐用年数があるのかを、簡単に見ていきましょう。

屋根塗装に使う塗料の種類

屋根塗装に使用される塗料には、アクリル系塗料、ウレタン系塗料、シリコン系塗料、フッ素系塗料、遮断熱塗料などがあります。

それぞれの塗料で特性が異なるので、それをよく理解したうえで選びましょう。また、塗料の特性だけでなく、家の外壁と調和する色を選ぶことも大切です。

アクリル系塗料

アクリル系塗料は価格が安いことが一番のメリットです。一度の施工を安く済ませることはできますが、耐久年数は5～8年と短く、頻繁に塗り直しをする必要が出てきます。

1950年代に開発されたという長い歴史がありますが、他の塗料の開発が進んだ結果、近年では使われる機会の少ない塗料になります。

ウレタン系塗料

ウレタン系塗料はウレタン系樹脂を主成分とする塗料で、その使いやすさから広い分野で利用されています。柔軟性に富んでおり、密着しやすい特徴があるため、さまざまな屋根材に使用することが可能です。

塗膜の一か所でひび割れが起きても、柔軟性があるため広がりにくいという特徴があります。また、艶があるため、塗り上がりが美しくなります。耐用年数は8〜10年程度です。

シリコン系塗料

シリコン系塗料は、外壁や屋根の塗装で特に人気の高い塗料です。塗料の種類に希望がない場合は、まずシリコン塗料が選ばれます。そのぐらい、現在のスタンダードとなっています。

耐用年数は10〜12年ほどで、撥水性が高く水や汚れを吸着しにくいという特徴を持っています。そのため、長い間光沢のある見た目を保つことが可能です。

シリコン系塗料は種類も豊富ですが、紫外線がよく当たる屋根にはシリコンの含有量の多い、グレードの高い塗料を使うのが一般的です。

フッ素系塗料

フッ素系塗料は、高層ビルの塗装にも使われる高性能な塗料です。紫外線に強く、酸性雨の影響を受けにくく、汚れを吸着しないといった具合に、さまざまな面で耐性があります。また、手入れが楽という特徴も併せ持っています。

摩擦性が低いので、基本的には水を流すだけで汚れが洗い流されます。雨が降れば、それだけで外観の美しさが保たれるというわけです。耐用年数も12〜15年と長いです。

遮断熱塗料

遮断熱塗料は耐用年数が15～20年と非常に長く、その名の通り熱を遮断する効果があります。

断熱の秘密は、塗料に含まれる中空ビーズです。このビーズがあることで、塗料の中に空気の穴ができ、その部分が太陽の熱を遮ってくれるのです。遮断熱塗料を使用すれば、光熱費を削減することができます。

夏場はきつい日差しが降り注ぎますが、遮断熱塗料だと伝わってくる熱がある程度軽減できます。エアコンの温度を高めに設定しても、快適に室内で過ごせるのでエコな塗料と言えます。

屋根塗装のDIYは危険！専門業者に依頼しよう

屋根の塗装は高い場所に上り、傾斜がある場所で作業するので事故の危険が高いです。

足場を組むにしても、足場の高さが5mを超える場合は「足場の組立て等作業主任者」の資格が必要になってきます。専門の業者に依頼すれば、手間もなく安全に済ませることができます。仕上がりも、ムラのない美しい屋根になるでしょう。

業者を選ぶ際は事前に複数の見積もりを取って、適切な価格で施工してくれる業者に依頼するようにしましょう。